ゆとりの思考メモ

20代ゆとり会社員。本や映画、その他諸々。

【読書】格闘するものに〇

 

格闘する者に○ (新潮文庫)

格闘する者に○ (新潮文庫)

これからどうやって生きていこう?マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら…。いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。連戦連敗、いまだ内定ゼロ。呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説デビュー作。(「BOOK」データベースより)

 

何と言っても、ユーモアあふれる可南子のキャラクターが良い。

「平服にておいでください」と指定された説明会に、豹柄のブーツで行ったり。

「学生時代にこれを一番一生懸命やった、ということを教えて下さい」との質問に、

「漫画を読むことです」と答えたり。

「就活なんてクソだー。そんなものには乗れないっす」と斜に構えるでもなく、かといって、「インターン行かなきゃ!自己分析が甘い!」って感じに意識を無理に高めるでもない。

あくまでマイペース。結局、物語の終わりでも「無い内定」なのだが、全く辛気臭さを感じない。むしろ、清々しさを感じる。実に不思議。

 

小説を読みながら、数年前の自分の就活を思い出した。

のんびりしていたら、受けようと思っていた企業のES締め切られてたり。

ESの趣味欄に「麻雀」って書いていて、最終面接で「君、麻雀どれくらい打てるの?」と社長に聞かれ、麻雀トークしたり。

締切ぎりぎりで、速達でES出すところ、可南子と一緒だわ。笑

 

最後に、一番印象に残ったやり取りを。このユーモアセンス欲しい。

「可南子ちゃん、夏休みだね」

「はい。そして以前言いましたが、『毎日が夏休み』に着実に近づきつつあります」