体育祭の練習で酸欠になった話
10年前の話。
中3の9月初旬。
大半の3年生は夏休み中に部活を引退し、受験に舵を切り始める季節。
体育祭の練習が本格的に始まっていた。
その日は朝から体育祭の練習。
うだるような暑さ。
身体が鈍っている同級生も多く、
「練習ダルいなー」って空気が漂っていた。
リレーの練習。
チンタラ走る同級生たち。
「こんなの適当に流そうぜ。はい、バトン」
全力で走る人はいなかった。
自分の番。
全力で走った。キモいくらいに。
鈍った身体や、周りの空気に構うことなく。
直後、身体がふらふらした。
立っていられず、近くの病院へ。
酸欠だった。
カッコ悪すぎる。
初めて、点滴を打った。
復活して午後から学校へ。
担任が「無理するな」と心配してくれたが、午後も練習に参加した。
もちろん、全力で。
当時は、青かった。
チンタラ走っていたクラスメートは、全力で走って酸欠になった自分のことをどう思っていたのだろうか・・・。
朝井リョウ著『何者』を読んだ。
終盤、ぐいぐい引き込まれた。
冷静に周りを分析して悦に入るではなく、痛くても、カッコ悪くても、もがく。
酸欠になりながら全力で走った当時の自分を肯定しようと思った。
【将棋】諦めが早いのか、潔いのか
羽生善治名人に行方尚史八段が挑戦する、第73期名人戦七番勝負。
第1局は、羽生名人が先勝した。
名人戦史上最短手数での終局
棋譜を見て驚いた。
僅か60手での終局。
これは、名人戦史上最短手数だそうだ。
以下が終局図。
時間は、まだあった。
正直、「まだ指せるのでは?」と思う。
ただ、プロ的には大差なのかもなぁ。
諦めが早いのか、潔いのか
今回の早い投了を見て、過去の棋譜を思い出した。
以下が、終局図。
【将棋DB2】というアプリで見たのだが、そのコメント欄が面白かった。
「なぜ投了したのか…」
「劣勢でも諦めるのが早すぎる。プロの将棋指しとしてどうかと思う」
など、否定的なコメントもあれば、
「投了の美学ってのもありますからね。これ以上指しても棋譜を汚すだけ、と考えられたのでは」
と、好意的なコメントもある。
僅かでも勝つ可能性があるなら、向かっていく姿勢というか、食らいつく執念が見たい。個人的には。
だから、木村一基八段の言葉が心にグッとくる。
負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることは結構辛く、抵抗がある。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんだろう。